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ステッピングモータはなぜ「中速」で暴れるのか

🧮 数学・計算

ステッピングモータを速度を変えながら回すと、妙なことが起きる。ゆっくり回すと安定、思い切って速くしても滑らか。ところがその中間のどこかに、振動と唸りがひどくなる帯域がある。運が悪いと脱調——ステップを取りこぼして位置を見失う。

なぜ「中間だけ」なのか。

ロータはバネに繋がれた振り子である

ステッパのロータは、磁気的な「バネ」で目標位置に引かれている。1ステップ進めという指令は、バネの根元を少し先へ動かす操作だ。ロータはバネに引かれて追いかけ、目標を少し行き過ぎ、戻り——つまり減衰振動しながら整定する。

バネ(磁気剛性)と慣性(ロータ+負荷)があるのだから、固有振動数 f0f_0 を持つ。典型的な小型モータで数十〜百数十Hz。

ステップ周波数が固有振動数とぶつかるとき

1ステップごとにロータは小さく「弾かれる」。この加振が毎秒何回来るかがステップ周波数だ。

「中間だけ暴れる」のは、そこが共振条件の交差点だからだ。

対策はどれも「共振の教科書」どおり

開ループの宿命として

ステッパの共振は、フィードバックなしで位置を保証するという設計思想の代償でもある。バネで引きずる以上、バネの物理からは逃げられない。逆に言えば、暴れる帯域は「そのシステムの固有振動数を教えてくれる測定器」でもある。振動が最大になる速度からロータ系の f0f_0 を逆算できる——厄介者は、視点を変えるとだいたい計測器になる。